今回は今までの流れを受けて、個人事業で中古車販売を行なう際にどのような課題を克服しなければならないか?についてお話したい。
中古車の仕入から販売までの一連の流れを簡単に説明したい。
*車の仕入(主に業者オークション)と支払
*落札した場合の車の陸送依頼(もしくは自走)
*仕入れた車の加修・仕上げを行い商品にする
*当該車両の所有者変更手続き
*販路の選定
*適正な価格設定
*プロモーション(写真や説明文作成)
*車に対する質問や現車確認の対応
*成約後の契約書面作成と代金の授受
*陸送手配
などである。
今回は入り口部分である中古車仕入先の主要ルートである中古車の業者オークション加入に関するお話をしよう。
まず、仕入れるために、中古車の業販オークションに加入する必要がある。
しかし、ここにはいくつもの壁がある。業者オークションによって条件は違うが、大手の場合は
*古物免許証を取得後、1年以上経過している事
*自己所有の不動産を保有している事
*自己保有の不動産所有の保証人を2名付ける事
*事務所・保管場所を所有している事
などの条件を満たしてはじめて審査の対象になる。
また、入会できても月会費・年会費などの費用は発生する。
中古車業者オークションは数千台から1万台以上の広大な展示スペースを確保する必要があるため、必然的に不便な場所にある。
最寄り駅からの送迎バスサービスもあるが、会場に出向いての現車確認には時間と労力を要する。
各出品車両には、「出品票」、つまり中古車の状態票がオークション会社の検査員によって記入されるが、専門用語・記号で記載されているので、出品票から車の状態を理解するまでに知識と経験が必要。
各オークション会場での入札は、POSと呼ばれる機械を操作して入札するが、基本1POS¥5000で値段が上がっていく。
つまり1回POS(ボタン)を押すと出品されるコーナーによっも差があるが、一般的に¥5000値段が上がる。
仕入れたい中古車が有った場合、会場の雰囲気などに呑まれて、予算より大幅に高い価格まで入札してしまう恐れもある。
車種ごとの落札価格の相場はデーターで閲覧できるが、季節や時期・新車の発売等の要素により相場の変動と潮目を独自にとらえる必要がある。
中古車は年間120万台ほど輸出されているので、輸出人気車種の価格は底が堅い。どの車種が輸出人気車種なのかを把握しておく必要がある。なぜなら、当該車種を競り落とした場合、国内の販売相場の方が低くて、利益を損なう場合があるからだ。
インターネット回線を利用しての入札サービスもあるので、グループ(もしくは提携)会場の出品車両を複数閲覧・入札できるが、なぜか落札手数料が高めに設定してある。
また、各中古車業者オークションによって、検査基準が若干異なる場合がある。
メーカー系オークションや出品車両の多いオークションでは評価のブレは少なく感じるが、出品台数の減少している会場では、語弊があるが検査が甘めになっているような気がする。なぜなら、出品車両が集まらないとバイヤーの集客が出来ず、セリが成立しないからだ。
これらの条件や刻々と変わる状況を把握しつつ、お目当ての中古車を仕入れる必要がある。結構面倒で敷居が高いと言う印象ではないでしょうか?皆さんの「ふーっ」というため息が聞こえてくる気がします(笑)
次号では敷居の高い中古車業販オークションの会員とならずに、中古車を業販オークションから仕入れる方法と注意点に関してお伝えしたい。