昨夜、NHK放送のとあるドキュメンタリーを視聴した。

発明好き少年が成長し、発明仲間からヒントを得てジョグダイヤルを発明し、特許侵害をめぐってアップル社を相手取り特許侵害の訴訟を起す。

このY氏はアップル社がiPodを発売する数年前に自身が発明したジョグダイヤルを特許申請をしていたが、資金が少ないY氏は承認申請まで行なっていない状況であった。

しかし、自身の発明に対して情熱を燃やすY氏に対し、ある弁護士が支援を申出る。

調停初日、アップル社からは数十名の弁護士が調停に望み、Y氏開発のジョグダイヤル機能は他の家電でも使用されている事を指摘し、特許性が低い事を指摘し、いままでの開発費実費の支払を条件に和解を申し出てきた。

司法も和解ありきの姿勢で、Y氏に勝訴の可能性が低いと諭す始末である

数や状況では絶対不利であるY氏に対して弁護士は可能性を掛けて1点突破の戦略を提案する。

半年掛けて提出済みの特許申請を書き換え、承認に相応しい内容に変更して特許申請を行った。

申請にかかわる20万円は親から借りた。実はこのY氏はかつて起業したが、バブル崩壊で数億円の負債を抱えて倒産し、親の家も抵当として失っている。自信は毎日キャベツ鍋で空腹を紛らわし、発明の芽を探す毎日であった。ご両親は愚痴をこぼさず、息子の可能性を信じていた。

そしてその後、特許申請が承認されて、改めてアップル社に特許侵害を突きつけて、損害料100億円の支払を請求する事となる。

結果として、アップル社に約3億円の支払が命じられ、個人が大企業相手に勝訴する。

Y氏は自身の発明の日本の発明家の方々が情熱を持ち続け、社会的な地位を確立する為に敢然と大企業相手に粘り強く戦い続け、勝訴するのである。

その後のインタビューでは、得た損害賠償料は借金返済に使い、手元にはあまり残っていないが、以前は缶コーヒーも買えないほど生活に困窮していたが、今はお母様と一緒にカフェでコーヒーを楽しむ事が出来るようになったと満足している。

Y氏の生き様には我々を含む個人事業者が多くのもしくは大きな資本の企業に伍して戦い抜くために必要な示唆見うけられる。

*必要勝訴するまでは費用の支払を留保するとまで弁護士に言わせしめたY氏の情念

*一点突破を提案した弁護士の戦略性

*Y氏に発明のヒントとなる情報を提供する友人の存在

*Y氏の非凡な才能を信じ続けたご両親の存在

*自身の才能を信じ続ける姿勢</span>

*自身のためでなく、日本の発明家の地位向上のための戦いと位置づけた点

などであろうか。

個人が成功するには様々な障壁が存在する。人の生活を豊かにする仕事や商品以外は淘汰されてしまう厳しい時代である。

そんな時代の個人事業のあり方や自身のビジネスコンテンツをもう1度見直すには良い機会ではないだろうか。

 

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