先日電車に乗っていましたら、50代の男性サラリーマンの方が「頑張ったら損だよな~」「周りは皆、病んでるよな~」と話しているのが耳に入りました。

私の認識では、50代といえ知識・経験・人格・リーダーシップに長けた会社の中核となってバリバリ仕事をこなし、部下を引っ張て行く年代ですが、時代は変わったのでしょうか?

その翌日に偶然ですが、こんな記事が目に飛び込んできました。

「会社員消滅時代」到来? 令和時代の「自由な働き方」に潜む落とし穴

一見もっともらしい表題ですが、何が言いたいのかよくわかりません。

昭和と平成にまたがって会社勤めしてきた私ですが、「昭和の働き方」「平成の働き方」に加えて、「令和の働き方」の違いはどこにあるのでしょうか?確かに経済環境や各種テクノロジーの台頭など、私たちの働く環境は大きく変わってきました。

労働者側から見る労働環境と、マクロ的な視点から見る労働環境ではズレは生じますが、興味がありましたので、抜粋してご紹介します。

「昭和の働き方」という言葉を耳にした方は多いはず。

特に30代の方々にとっては「昭和=ブラック」というイメージを持っているかもしれません。

しかし、悪いのは「昭和の働き方」そのものでなく、会社が平成の30年間で「働かせ方」を変えたことにあると指摘しています。

「あなたは大切な人です」というメッセージを労働者に送るのをやめて、“ダムサイジング”を繰り返して会社と労働者の間に存在した「信頼」が崩壊したのが平成の30年間の軌跡です。

ダムサイジングとは利益と株価を最優先してリストラや経費削減を繰り返す愚かなサイズ合わせを意味します。

80年代盛んであった労働組合は御用化・弱体化して、団結による労働者の声は経営に届かなくなり、振興産業を興した若い経営者たちは、労働者の意思や要望よりも自分の夢に突き進む。

実際、平成での残業時間は昭和より増えて、過労死や過労自殺も後を絶たず、伸び悩む賃金で不安定な非正規雇用が3人に1人まで急増しました.

平均年収は1997年の467万3000円をピークに下がり始め、1990年から2017年の27年間で7万円しか上昇していません(国税庁「民間給与実態統計調査」)

バブル崩壊を契機に「人」を「コスト」と考える経営者が増殖し、企業と労働者間のギブ&テイクの関係を無節操に壊し、「働き方改革」というスローガンのもと、企業支援策ばかりが横行するフェーズに突入しました。

テレビドラマでや原作本で「下町ロケット」に共鳴したり感動した方は多いと思います。

フィクションとはいえ、そこに描かれているのはまさに「昭和の経営」「昭和の労使関係」であり、失われた「情熱を超えた情念」や「べたな人間臭さ」がそこに描かれているからではないでしょうか?

次号では厚労省の「働き方未来2035」懇親会の政策提言書をお伝えし、どのような働き方が予測されているのか?その予測から我々の生活を守るために、どういう行動や準備が必要なのかを探っていきたいと考えています。

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