新型コロナウイルスによる外出自粛ムードも薄れてきたように見受けられます。
今年は桜・新緑の季節などアウトドアを楽しめなかったため、8月のオートキャンプ場は予約で一杯だとニュースで報じられていました。
家族や大人数でのドライブやアウトドアと言えばミニバンのアルファード・ヴェルファイア・MPV・プレマシーなどが浮かびますが、最近の各メーカーが打ち出しているのが「3列シートのSUV」です。コンパクトなボディ・シャープなデザイン・居住性など、街中でも大人数でのドライブでも活躍しそうな新しいカテゴリーです。
このカテゴリーが誕生する以前に日本車ではトヨタ「ランドクルーザー」や三菱「パジェロ」などの大柄なクロスカントリー4WD車は早くから3列シートを採用していました。
少し歴史を遡りますと、乗用車ベースのクロスオーバーSUVでは、初代トヨタ「ハリアー」をベースとする「クルーガー」が2003年のマイナーチェンジで設定したのが最初だと思います。
日本ではあまり販売台数を伸ばすことはできませんでしたが、海外輸出では人気のある車種です。
また、すでにミニバンのかわりにSUVを求める人が増えていた北米では売れたようです。
スズキの「XL7」(日本ではグランドエスクード)です。
同車は2代目エスクードのホイールベースを延長し3列シートを収め、北米では人気を集めました。
国産車に話をもどしますと、そのあとに3列シートのクロスオーバーSUVが出てきたのは、2005年の初代三菱「アウトランダー」です。
次いで2007年には、ホンダが「ストリーム」をベースとする「クロスロード」を、トヨタが前出のクルーガーの後継となる「ヴァンガード」を発売。
2018年には、ホンダがすでに北米や中国で爆売れしていた「CR-V」を日本国内に投入するなどして、ミドルサイズSUVは3列シートが当たり前になってきました。
2012年にアウトランダーがモデルチェンジして、初代よりも車内空間を拡大して登場。
2013年には、日産「エクストレイル」が3代目にして初めて3列シート仕様を設定し、さらに、2017年末にはマツダ「CX-8」が登場したほか、レクサス「RX」も3列シート仕様を追加という歴史を持っています。
海外のブランドに転じますと、フランス勢ではプジョーが「3008」の上に「5008」をラインアップしたほか、プレミアム勢でもBMW「X5」やメルセデス・ベンツ「GLE」のように、従来は3列シートの設定がなかった車種にも最新型には3列シートが設定されるようになってきました。
さらには、メルセデス・ベンツのニューモデル「GLB」(日本未発売)も、コンパクトクラスながら3列シートが設定されています。
また、日本でも絶好調のボルボも、3列シートの設定があるのは「XC90」のみです。
いずれも「グランドチェロキー」や「XC60」あたりの次期モデルには、3列シートが設定される可能性があります。
国内ではマツダのCX-8やレクサスRXなどのSUVに3列シート車が用意されています。
国内での開発の経緯ですが、まずマツダが「CX-5」の上にCX-8をラインアップに加えたのは、ミニバンをやめるという決断に基づいています。
従来の「MPV」や「ビアンテ」、「プレマシー」のユーザー受け皿として、3列目を有するSUVが必要という判断からです。
実際に専用ボディを持つCX-8は、2列シート仕様と同じ車体で3列シート仕様としたクルマとは、3列目の居住性が段違いに高いと言われています。
レクサスRXは、現行型が登場した当初、3列シート車はありませんでした。
しかし、北米市場からの要望を受けて、発売約1年後に追加され、それが2017年末に日本市場にも投入されたという流れです。
ただし、ホイールベースを変えずにオーバーハングを延長するという手法をとったため、3列目の居住性が高くない欠点があります。
それが災いして販売が伸びなかったことから、2019年秋のマイナーチェンジでアレンジを工夫し改善を図ったという経緯があるようです。
SUVに求められるのは、より優れた実用性です。
3列目の居住性も高いにこしたことはありませんが、いざとなれば座れること自体が強みになります。
「商品力」の高いクルマとして、今後もますますSUVは3列シートが好まれるようになっていくと思われます。
個人売買.comでは、車のトレンドを分析と販売実績に基づきインターネットでの無店舗販売で売れやすい車・業者オークション価格・小売価格のご相談をいただけます。
中古車の個人売買で副業・企業を目指す方に多くのノウハウとサポートを提供しています。
ぜひ説明会にご参加ください。