最近、多くの保険に関するTVCMを目にします。

ネット型生命保険やソニー生命に代表される走行距離応じた保険料、レッカーサービスなどを謳った付加価値型の車両保険など、経済が低迷して消費が減速し先行きが不透明な時期には、貯蓄や保険に興味が移行する傾向をとらえてものです。

住友生命では以前のコラムでもご紹介したようなドライブレコーダー搭載の保険商品を上梓しており、世相に合った商品開発に躍起の感があります。

一方、コネクテッドに自動運転、シェアリングに電動化。

これらの頭文字を表す「CASE」というキーワードが示すとおり、自動車を取り巻く環境に対応した新たな保険が話題を呼んでいます。

そのような自動車のトレンドに呼応した自動車保険で「テレマティクス保険」と呼ばれるタイプのサービスが注目されています。

テレマティクスとはテレコミュニケーション(通信)とインフォマティクス(情報工学)を組み合わせた言葉で、カーナビやGPSといった車載機器と通信システムを利用して情報やサービスを提供することです。

テレマティクス保険は、通信システムを活用して走行距離や速度など自動車の走行状態、ドライバーの個別の運転情報を保険会社が取得します。

それらをもとに保険料を算定する保険で、インシュアテック(保険+テクノロジー)の1つとして欧米で先行している保険です。

スウェーデンの調査会社ベルグインサイト社の調査によると、北米では2018年末時点で契約数が1060万件、23年には4980万件に達すると見込まれています。

これを最初に開発・商品化したのが自動車保険で全米3位のプログレッシブ(PGR)という1987年にニューヨーク証券取引所に上場している会社です。1937年に設立され、

同社は1990年代から走行距離や速度、時間帯と事故の確率の研究を続けており、2004年にPAYDPay As You Drive)型(実走行距離連動型)と呼ばれる走行距離に応じて保険料を設定するタイプの「TripSense」をスタートしました。

さらに2011年からは、走行距離や速度のほか急アクセル・急ブレーキなどの運転特性も加味して保険料を設定するPHYDPay How You Drive)型(運転行動連動型)の「SnapShot」を提供しています。

その仕組みをご説明します。

まず利用者は

1.専用の車載デバイスかスマホアプリのどちらかを選んで契約します。

2.デバイスやアプリで記録された走行データや運転データはM2MMachine to Machine)プロバイダーと呼ばれる専門の業者によって収集・分析され保険会社に送られます。

これらの解析情報をベースに同社は個々の契約者の保険料率を算出し、保険料を請求するというわけです。

このとき安全運転していると判断されれば、その程度に応じて保険料が割り引されます。

SnapShot」で記録・収集される情報は、運転量、運転時間、時間帯、運転方法などのほか、GPSによる位置情報なども含まれます。

デバイスを取り付けた自動車では、運転中に急ブレーキをかけた場合には警告音が鳴り、安全運転を促す仕組みです。

同社のHPでは、「SnapShot」の契約者は安全運転をすることにより平均で年間145ドルの保険料節約になったことを公表しています。

プログレッシブが展開するような「テレマティクス保険」は他社も追随しています。

その背景には、アメリカ国内の自動車保険には日本のような無事故割引制度がなく、保険料の水準も全般に高いことがあるためです。

個人情報の取り扱いという課題は抱えつつも、契約者にとっては安全運転をすることで保険料が割り引かれるというメリットは、加入への大きなインセンティブにつながります。保険会社にとっても、安全運転ドライバーが増え事故が減少すれば、それだけ保険金負担も減り、経営の安定性につながり社会的なメリットも大きいというわけです。

では日本ではどのような展開が待っているのでしょうか。

20194月からはアメリカのTIMS社(トヨタ自動車とトヨタフィナンシャルサービス、あいおいニッセイ同和損害保険の3社の共同出資会社)とプログレッシブ社が協業を始めています。

トヨタ自動車のコネクテッド車両の運転挙動データをTIMS社からプログレッシブに提供し、テレマティクス保険に活用する取り組みも行っています。

日本国内でも2015年からソニー損害保険がPHYD型(運転行動連動型)の保険商品を販売開始しており、大手各社も展開しています。

通信機能がある専用のドラレコ(ドライブレコーダー)を設置したり、自身のスマホなどと連携する必要がりますが、「安全運転重視型」保険は今後普及する予感がします。車の駆動系・安全装備も多様化しています。

それに合った保険に加入することを検討する時期に来たように思います。

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