最近のニュースを俯瞰していますと、不景気が背景にある強盗や詐欺事件と高齢者運転者の踏み間違え事故や車両火災が目立っています。
車両火災に関してはドイツの高級車が立て続けに起こしていますが、特定の原因があるのか疑問に思っていらっしゃる方も多いと思います。
また、最近では環境性能を意識してハイブリッド車や電気自動車が普及しています。
大型のバッテリーを搭載していますので、その防爆などには十分な配慮がされているか不安になってしまいます。
ここでは、車両火災はなぜ起きるのか、それを未然に防ぐ日ごろからのチェックポイントをお伝えしたいと思います。
まずは、車両火災の原因についてです。一般的には4つの原因があると言われています。
車両火災の原因として一番確率が高いのが燃料漏れによる火災です。
ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンともに燃料は当然燃えます。
燃料タンクからエンジンへ、正常な運びにならない故障が起きた時車両火災になる可能性があります。
具体的にはどのような場合なのでしょうか。
燃料タンクからポンプでエンジンまで燃料は運ばれて、最終的にインジェクターやポンプで噴射されます。
この途中燃料漏れが発生すると燃える可能性があります。
燃料が漏れたと言っても、すぐに燃えるかというとそうでもなく、当然条件が重なると火がつきます。
例えば漏れていた部分がちょうど道端にある火のついたタバコの吸い殻から引火します。
もしくはエンジンの排気管など高熱を帯びるところに、漏れた燃料が付着して着火するというような原因です。
燃料ラインなどから燃料が漏れていないかきちんと点検されていないと、引き起こる車両火災です。
続いて考えられる車両火災は電気配線のショート。
これは電気自動車でも起こり得ます。
電気自動車はエンジンを積んでいないので、燃料漏れによる火災は起こりません。
ですが、電気系統からくる火災はエンジンがついていようがいまいが同じです。
こちらの具体例は配線のショートによる発熱・発火やバッテリーのターミナルやハーネスの緩みなどによる接触不良。
これらが原因で熱をもち、発火することがあります。
電気配線のショートなどは、燃料に燃え移るまえに燃えそうなものから広がっていきます。
室内配線のショートで、カーペットに火がついてそのまま車両火災になってしまうなどという状態です。
車の内装はある程度の不燃性のものをもちいて作られていますが、それでも限度があります。燃える時は燃えてしまいます。
ショートによる車両火災も可能性はあるのです。
オイル漏れによる車両火災
燃料漏れよりは火がつきにくいですが、オイル漏れが原因でも車両火災が起こります。
どういう状況かというと、エンジンのパッキン部分からオイル漏れがじわじわと広がり、それが高熱の排気管に付着。
オイルがそのまま着火してしまうというパターンです。
著しいオイル漏れは当然車検にも通らないのですが、油圧のかかる部分からオイル漏れが発生するとかなりの勢いで漏れだします。
オイルフィルターに錆びて穴が開いてしまうと、オイルがかなりの勢いで噴き出しますが、最悪の場合マフラーなどの熱で車両火災になることがあります。
ブレーキ引きずりによる車両火災
こちらもよく聞くケースです。
ブレーキが引きずってしまった車を使い続けて発火するパターンです。
ブレーキの引きずりって、経験したことがある人ならなんとなくイメージがつくと思いますが、普通にギヤを入れて発進しても全然力がありません。
いつも以上にアクセルを踏み込まないと車は動きませんし、惰性で転がることが難しいのでアクセルを離すとすぐにスピードが落ちてしまう状態です。
症状に気づけばいいのですが、そのまま乗っているとブレーキキャリパーやドラムから熱を帯びてハブグリスなどへ着火する。
これと同じことが回転部分で起こり得ます。
考えられないと思いますが、半クラが原因で車両火災になった事例があります。
高速回転する部分が原因で車両火災が発生するのです。
これらのように、自動車火災にはいくつかの主原因がありますが、その他車の中にライターを放置したり、フロントウインドウにアクセサリーなどをつるす透明の吸盤を貼り付けたりすると、凸レンズ効果により太陽光が集光され、部分的に高温箇所を作り出すこともあります。
そもそも、フロントウインドウに貼り付けを行なう場合は、道路運送車両・保安基準「第29条」の細目告示第3節「第195条」に則ったものでなければなりません。
さらに水を入れたペットボトルなど光を集める作用をするものも、車内に置くときは注意する必要があります。
ほかにはダッシュボード上など、車内の直射日光があたる場所にライターなどを放置したりすると車両火災の発生確率が高まり危険です。
いずれの原因も日ごろからのメンテナンスや車内に可燃物を置かないことが必要です。
万が一にも車両火災に遭遇してしまった場合の応急処置の一例を紹介します。
走行中であればハザードランプを点滅させて後続車に対し、緊急事態が発生したことを伝えます。
次に、路肩側に停止して携帯電話などで119番に通報するとともに、自らが危険にさらされない範囲で初期消火に努めます。
火の勢いにもよりますが上着などで炎を覆って鎮火させるか、ペットボトルの飲料水なども初期消火に役立つ可能性があることを覚えておきましょう。万が一に備え、ホームセンターや自動車用品店などでスプレー式の消火器など、コンパクトなものも販売されていますので、常備しておくと安心です。また、車両から離れる際、余裕があれば車検証などを持っておくと、仮に車両が全焼してしまった場合でも事務手続きが比較的スムーズに行える可能性があります。
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