最近40代後半から50代の方々から起業に関するお問い合わせが増えています。
人生60年の時代には40歳は「不惑」と言われていました。
人生100年時代を迎え、IT技術が業務運営のコアに位置付けられ、複雑化している現代社会において、50歳・60歳も迷っている感があります。
今まで起業や個人売買を軸とする副業に関して様々なプロセスや必要な業務に関してお話ししてきました。
「個人売買ドットコム」ではインターネットを通じた中古車の個人売買を推進していますが、事業の成長や利益の増大といったものが生活の軸や縦軸と位置付けるならば、今回お話しする「コニュニティー」は人生に彩を与える横軸といえます。
縦軸と横軸がそれぞれ成長することにより人生は立体感を増します。
「個人売買ドットコム」へのお問合せでは「定年後になって初めて、『居場所がある』ことの重要性に気づいた」。
会社員として勤め上げて定年を迎えた人から、このような話をよく聞きます。
「予定があることがいかに幸せか」。このような声もよく聞きます。「予定がないことは拷問のように辛い」と言う人すらいます。
離れてみて初めて、会社というコミュニティに所属していることの重要性に気づいたということでしょう。
ちなみにこうした悩みは、女性からはほとんど聞いたことがありません。
おそらく女性は職場以外にも友人や地域、趣味のコミュニティに属していることが多いため、仕事を離れても「居場所がなくなる」ということがあまりないからだと思います。
「出世街道をひた走ってきた人より、そこから早期に脱落した人のほうが、幸せな定年後を過ごしていることが多い」というのは不思議なことではありません。
おそらくその原因の1つはコミュニティだと思われます。
というのも、会社から期待されずに時間ができた50代は、定年前から外部にコミュニティを求めるケースが多いからです。
そして、妙なプライドを持った「出世組」に比べ、そうしたしがらみから解放されている「非出世組」のほうが、人間的に愛されてコミュニティに溶け込みやすいという側面もありそうです。
そう考えると、定年後に急に「コミュニティ探し」をするより、50代のうちに別のコミュニティに属しておく必要があると言えるでしょう。
さらに言えば、そのコミュニティも1つだけではなく、できれば5つくらいのコミュニティの一員であるのが理想です。
しかも、それぞれのコミュニティで「違ったキャラクター」を演じることが重要です。
会社というコミュニティでは「厳格な上司」であったとしても、趣味のテニスのコミュニティでは「素直に教えを請う初心者」、地域のコミュニティでは「気軽に冗談を言う明るい人」などです。
ある心理学者によれば、こうして複数の「ペルソナ」(仮面)を使い分けることは、心の健康のためにも必要なことだということです。
さて、あなたは今、どんなコミュニティに属しているでしょうか。数えてみてください。
ちなみに、「会社」以外のコミュニティとしては、以下のようなものが考えられます。
・地域のコミュニティ(町内会、同じマンション内でのつながりなど)
・ボランティア関連
・スポーツ関連(ゴルフスクール、テニススクールなど)
・スポーツクラブ
・趣味の仲間(ダンス、釣り、音楽、芸術系など)
・習い事
・学生時代からの友人
・前職の同僚や友人
もし、あなたが属しているコミュニティが5つ未満、特に「会社しかない」ようでしたら、今すぐ行動を開始すべきです。
コミュニティへの参加数の指標として、いくつのグループラインが登録されているかを数えてきてください。
その中にはアクティブなグループラインもあるでしょうし、新年会や忘年会だけに使われるあまりアクティブでないコミュニティもあると思います。
ここで、「50代からのコミュニティ作り」において、重要なことを1つ。それは、「入るのも気軽に、出るのも気軽に」ということです。
企業では売上を上げる・利益を高めるなどの全社員共通の目的があるため、人間関係の悪化などはスルーされがちです。
しかしコニュニティーは人間関係ですから、合う・合わないは必ずあります。
自分に合わない、あるいは何か違和感があると思ったら、フェイドアウトしてしまっていいのです。
違和感を抱くようなコミュニティは、結局長続きしません。嫌な人間関係を引きずるのは会社だけで十分ですし、その会社ですら50代になったら人間関係を我慢する必要もないのです。
また、コミュニティには毎月のように会合を開くような強い結びつきを持つものも、年に一度会うかどうかのゆるいものも、どちらもあっていいと思います。
コミュニティなど探せばいくらでもあります。
ここでもある程度「自分勝手」になって、本当に居心地のいい場所を探すことをお勧めします。
また、コミュニティは横社会です。
「会社人生の常識から抜け出せない人」がやりがちなのは、無意識にリーダーシップを発揮したり、「そのコミュニティで一番になりたい」とマウンティングを始める、といったことです。
全く悪気はないのでしょうが、出世街道をひた走ってきた人ほどこうしたワナに陥りがちです。
そして、本人が気づかないまま、周囲から疎まれて、コミュニティから追い出されてしまう傾向があります。
こうした「ゆるいコミュニティの感覚」をぜひ、40代・50代のうちから培っておいてほしいと思います。
そして自分は「出世街道をひた走っている」という自覚がある人もぜひ、それとは別のペルソナを持つために、50代でなんらかの「趣味や興味でつながっているコミュニティ」に入ってみてはいかがでしょうか。
「勝ち負け」にひたすらこだわるのが会社人生です。
だからこそ、「勝ち負け」にまったくこだわらないもう1つの世界を持っておくこと。
それが、厳しい競争社会を生き抜くための支えとなり、長い人生に彩を添えてくれると思います。
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