前号では個人・少人数で副業・起業した際に陥りやすい「副業うつ」に関しお伝えした。本号ではそれを未然に防ぐための工夫をいくつか提案したい。
1.仕事やスケジュール管理にツールを活用する
タスク管理の基本は、紙のメモでもスマートフォンのメモ帳機能でも構わないので「自分がやらなければならないタスク」をすべて書き出す。
それぞれに優先順位を付け、タスクを成功させるためにやらなければいけないこと、掛かると予想される時間を整理した後スケジュールを組むという流れである。
管理ができていればマルチタスクを行わなくても効率よくタスクをこなすことができる。
管理するための媒体はメモ帳などのアナログ媒体とパソコンやスマートフォンなどのデジタル媒体とあり、どちらにもメリットデメリットがありますのでご自身に合っている方法で行う。
素早く新規タスクの作成・修正を行いたい場合はデジタル上での管理がおすすめ。
特に複数人が参加するプロジェクトの管理や共有が簡単にできるツールがあるという点も大きい。
タスク管理専用のツールは多数存在するので気軽にダウンロードして試すことができる。自分にあったツールをじっくり選ぼう。
2.コミュニケーションツールを活用する
特にネットを介した副業では、相手とコミュニケーションを取る際にビデオチャットやテキストチャットが使用される。
また気軽にコミュニケーションをとることができるようになり、相談しながらタスクを取り組むことが可能で、円滑に作業を進めることや疑問の解決などに役立つ。
手軽なグループLineなどもお勧めである。
3.プロジェクト内での役割を明確にする
複数人で作業を行う場合は自分の業務範囲や責任範囲の線引きを行い、常に役割を明確にする。
会社組織での「職務分掌」である。責任範囲と決裁権限などを担当別に明確にしておく。
「副業」の場合は一人もしくは少人数経営なので、ケース案件ごとに誰がプランし、誰が決済するかを決めておくとスムーズに組織運営が出来る。
作業範囲や責任範囲があいまいなままだと、いつの間にか複数のタスクを1人でこなさなければならない状況になり、不満が募り士気がさがる結果になる。
4.状況の把握と報告・問題の共有をまめに行う
現状をまめに知ること・伝えることは、プロジェクト全体のスムーズな作業進行に繋がる。
物理的に可能な場合は定期的にミーティングを行い、状況・問題・成果の共有化を図りたい。
日常の「ほうれんそう」(報告連絡相談)はメールやチャットで充分である。「こまつな」(困って泣き付く)にならないように心掛けたい。
5.計画的に余裕を持って事にあたる
はやく稼ぎたいために根詰めて作業を行った場合、疲労から仕事効率が落ちるだけでなく、無理がたたり体調を崩してしまう危険性がある。
また「副業」は突発的な依頼などでスケジュールが狂ってしまう事が多い。
まじめな人ほどストレスが堆積する。
また、課題や新たな問題が発生すると、時間に関係なく働き続けるかた(筆者は家人から暴走機関車と呼ばれている)がいるが、お勧めできない。
作業を行う際に余裕を持ってプランする点と、完全休業日を設けることが必要である。
6.問題をKISSで打開する
副業を進めていくと、様々な問題が発生する。
特にネット社会では幾つかの要素や感情論がからまって、問題は大きくなりやすく拡散しやすい。
そんな時に「K・I・S・S」を思い出して欲しい。
”Keep It Simple, Stupid” の頭文字だが、問題の構成要素を因数分解して、1つずつ解決策を講じる事である。
まずは、論理的な部分と感情的な部分を分離して、抽出した問題点を因数分解し、シンプル化する手法である。
抽出された個々の問題に対してここに解決策を講じる。
7.常にバックアッププランを用意する
副業といえど立派なビジネスである。
計画を練り実行する際には腹案を用意し、プランAが上手く機能しない場合はプランBを発動する
8.ライフワークに昇華させる
副業のメリットの1つに「気軽に始めることができる」点がある。
成功体験を積上げて、ライフワークにまで昇華させたい。つまり「副業」を「福業」にするわけである。
「副業うつ」を防止するため幾つかの提案をしてきた。「個人売買.com」では副業を目指す方々が迷子にならないために同じ目的・達成方法・ロールモデル・メンター・情報共有のツールと機会を提供している。説明会ご参加をお待ちしています。