ここ数年ECの世界でBtoCやCtoC(個人売買)などの用語を目にする。
BtoCとは、Business to Consumerの略で、企業と消費者間の取引のことを示す。
まずBtoCもしくはB2C(Business to Consumer )とは、企業が個人に対して商品・サービスを提供する取引を指す。
例えば、車メーカー・家電メーカーやファッション、百貨店など、一般消費者に向けてモノを売る企業がBtoC である。
消費者の認知度が重要であるBtoC の場合はマス向けのプロモーション を軸に顧客獲得施策を行う場合が多く、利用する媒体はテレビ、雑誌、新聞などのマスメディアや看板広告 など、多くのユーザー にリーチできるものがメインである。
BtoC の場合、BtoB のように企業間での継続的な取引ではないため、個人が商品を購入する時にいかに選んでもらえるかが重要となる。
例えば「車を買い替えたい」「ライフステージに合せてワンボックスカーを買いたい」というニーズ を持った消費者に自社製品を選んでもらうためには、自社の車のイメージを認知・定着のブランディング 施策が不可欠なため、多くのBtoC 企業は認知拡大とブランディングのために、マス向けの広告 に予算を投下する。
また、販売の現場では、マス広告によって掘り起こされた潜在顧客に対して購買意欲を喚起させる役割を担う。
そのため、商品開発のバックグラウンドや商品仕様・競合製品の商品仕様と価格設定・差別化されるポイント・アフターフォローや保証などのサービス商品の説明知識を身に付け、潜在顧客の生活をいかに豊かに出来るか・予算に見合った商品を提供できるかを提案して販売するのである。
話は逸れるが、最近のテレビCMを見ていると、何と車のCMが多いかに気づく。
その中でも目に付くのは、香川照之氏が語る「トヨタタイムズ」であろう。
「全ての人に移動する楽しさを提供するモビリティカンパニーをめざす」と言うメッセージを伝えている。
将来を見据えたリーディングカンパニーとしてブランディングの再構築を宣言しているように受取れる。
最大手のトヨタでさえ、時代の潮流を変化のために従来のモデルを再構築する必要を痛感しているのだ。
ではCtoC(個人間の商取引=個人売買)の現状はどうであろうか?
フリーマーケット的に不要物を出品しているケースも有れば、特定カテゴリーやブランドに特化した商品施策を行なっているケースもある。
専門的に言えば、ブランディングが出来ているかどうかということである。
「ブランド」もしくは「ブランディング」とは一般消費者がそのサイトや商品を見たときに明確にイメージやメッセージを受取れるか?と言う事である。
不要物ばかり集めたサイトに明確なイメージは不在で「不要物です。よかったら買ってください」と言うメッセージしか受取れない。
その他にも
*洋服のサイズの説明も結構あいまいなケースが多い。「素人採寸ですが・・・」とういう前置きでサイズを掲載している。
例えばMサイズならせめてJIS規格のMサイズの表や外部リンクを張っておかなければ判断できない。
*興味があるので質問したくても、回答は営業日だけですと注釈がある。
*色やテクスチャーの再現性の悪い写真を貼っている
*価格を抑えて送料を高く設定している
*情報不足にも拘らず、「ノークレーム・ノーリターン」
などなど、個人売買には見受けられる。
これでは消費者の購入意欲を高める事はできないであろう。
極論ではあるが、C2C(個人売買)にはBtoCをしのぐ知識とサービスの提供が必要なのである。
そこに柔軟性やコミュニケーションを付加する事で、はじめてC2C(個人売買)のブランド化が進み、個人間商取引の拡大が期待できるのである。
次号では中古車の個人売買に必要な知識と情報提供のあり方についてお話したい。