前回のコラムでは、「ライフシフト-100年時代の人生戦略」の基礎となっている「3つのステージ」から「マルチステージ」への変化に関してお話ししました。

ライフステージが時代の変遷とともに変化しても、その源泉になるのは人間関係です。

今回は「ライフシフト-100年時代の人生戦略」の中から多面的なステージを過ごしていくうえでの人間関係の構築や考え方に関してお伝えします。

まず、人類の長い歴史を振り返りますと人はつねに支え合いながら生きてきました。

人類が成功を収めるうえでカギを握ってきた要素は、言語能力・コミュニケーション力の発達や集団で行動し、協働する能力でした。 

人生の期間が長くなり、移行の機会が増えつつあるなかで、私たちはほかの人たちとの関係をどのように築き、維持すべきかを考え直す必要があるのではないでしょうか。

マルチステージの人生は、柔軟性が高く、成長と進化を遂げるチャンスも多いのですが、人間関係を深めるために投資しなければ、移行の回数が増える結果として人生が細切れや先細りになる恐れがあります。

つまり自己の意識とアイデンティティーを見失い、漂流状態に陥りかねない状況になりかねません。 

自分を軸に様々な人間関係を図式化して考えてみましょう。

まず、私たちの人間関係の核を成すのは家族です。パートナー、両親、親族との関係は、人生のいくつものステージにまたがって続きます。

家族という核の外側には、親しい友人たちがいます。そのような友情は、しばしば何十年も続きます。

ハーバード大学医学大学院のグラント研究が明らかにしたように、親しい友人は人の幸福度と人生への満足度を大きく左右する可能性を含んでいます。 

その外側には、それほど長期的ではない人的ネットワークが存在します。

この種の人間関係は、仕事と娯楽の両面でメンターやロールモデルの供給源となり、学習のプロセスで重要な役割を果たす場合があるといわれます。

頻繁に移行を経験するマルチステージの人生では、前のステージではぐくんだ人間関係を維持し、それに投資し続けるために、より多くの努力と積極的関与と目的意識が必要とされます。 

また、自宅で仕事をしている人は、仕事上のコミュニティーを築こうと思えば、わざわざ時間を割かなくてはなりません。

その点、従来型の職場で働く友人たちは、とくに意識的に努力しなくてもそのようなコミュニティーをはぐくめます。

その外側に位置するのは、地域コミュニティーと隣人達です。

地域コミュニティーの一員となり、なじみの面々と顔を合わせれば、喜びを感じられます。

そして、そのさらに外側には、いくつもの地域コミュニティーの相互作用により形づくられる社会が存在するという図式です。

3つのステージ」に時代では、60歳を境に仕事のステージを終えます。

教育期間を経て40年間は仕事に関する人間関係作りに時間と労力が費やされます。

では実際に定年退職後に就業中に構築した人間関係が続いている例は多いのでしょうか?

無論、「同じ釜の飯を食った」仲間の中には生涯関係性を保ち続ける友人もいると思いますが、その多くは退職を機に徐々に関係性は薄れていきます。 

つまり、マルチステージを生きていく私たちは、副業をしたり起業したりする際に、新たな人間関係を構築していく必要があるのです。

最近ではSNSを通じた人脈つくりやコミュニティーへの参加など、マルチステージ時代への変化に応じた様々なメディアが提供されていますし、起業・副業に関するセミナーも多く開催されています。

また、起業・副業の際には「ココナラ」「ストアカ」など個人の知識やスキルを商品化して提供するアプリや「LINE」「Facebook」などに代表される縦横無尽な人的ネットワークを提供するソーシャルメディアは他者の起業・副業モデルを観察・分析できるお手本です。

まさにこれからのマルチステージを支えるメディアと言えます。

では、副業・起業・コミュニティー参加と多面的に展開していくライフステージにおいて、どのように人間関係を構築していく必要があるのでしょうか。

1.今までのキャリア・経験・スキルを棚卸

以前のコラムでもお話ししましたが、組織に所属して得たスキルが起業や副業で通用するとは限りません。

起業・副業をする際に広く一般に通用するもしくはアドバンテージがあるスキルを洗い出すことが肝心です。

2. マルチステージに応じた計画立案に十分な時間を確保

未来の計画を考えるときは、パートナーや子ども、そのほかの家族や友人などとの関係にも少なからず影響が及びます。

自身が始めようとしている起業・副業または参加しようとするコミュニティーの内容やその起業・副業を行う事によって得られる果実を人間関係の核になっている家族や親しい友人に共有し、共有することによって自身の理解も深まります。

3.  ビジョンの共有と調整

人生が長くなり、マルチステージ化すれば、選択肢が広がるし、さまざまな活動に携わる順序も何通りにも増えます。

しかし、そうした新しい機会を生かすためには、身近な人たちと慎重に調整することが必要です。

自身の周りの大切な人たちは、あなたとは違う計画を立てていたり、新しい選択肢に気づいていなかったりする可能性もあります。

自分がどのような未来を望んでいて、その未来がまわりの人たちにどのような意味をもつかについて、多くの時間を割いて、明確に、そして自由闊達に話し合うことが必要になってきます。

4. 副業・起業の先にある コミュニティーを考える

いま計画している人生の進路について、コミュニティーとの関わりという観点から考えてみましょう。

自身が加わろうと思っているコミュニティーは、人生に喜びをもたらし、学習を促すようなものでしょうか。

人生のさまざまなステージを通じて、ほかの人たちを支援したり、持続可能性の高い地域社会を築いたりするなど、コミュニティーに投資するための時間を十分に取っていますか。

周囲の人たちと関わる時間を増やすための習慣を生活に組み込むことが大切です。

5.  さまざまな年齢層の人たちと縦横無尽な関係作り

自分より高齢の人や若い人と接する時間が多ければ、人生プランはいっそう強力で実りあるものになる可能性があります。

いま計画している将来のステージや活動を具体的に思い浮かべた場合、同世代の人たちだけで集まる可能性が高くはないでしょうか。

起業・副業・コミュニティーには様々なバックグラウンドを持った方々がいます。

ほかの年齢層の人たちと接する機会が増え、それが起業・副業・コニュニティーにとって大切な知識の源泉であり、師となります。

年齢で人を判断すべきではなく、大切なのは、それぞれの人がどのような能力やスキル・価値観を持っていて、自分の能力やスキル・価値観と合わせたときに起こる化学反応が何をもたらすかが大切です。 

「個人売買.com」では、インターネットを利用した中古車販売の個人売買を通じた起業・副業モデルを提供しています。

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