2014年に発売されたトヨタMIRAIが2020年フルモデルチェンジされると期待されています。
燃料電池車(FCV)という分野を新たに切り開いたトヨタが6年間のデーター蓄積の末、どのような新たな価値を付加するのか楽しみです。
MIRAIと言えば水素を燃料とした電池自動車という認識ですが、その仕組み・経済性・インフラの整備状況などに関してお話ししたいと思います。
2014年11月に発行されたトヨタのニュースリリースでは
「MIRAIは、将来の有力なエネルギーである水素を空気中の酸素と化学反応させて自らが発電して走り、優れた環境性能はもとより、利便性や走る楽しさもあわせ持つ、モビリティの新しい幕開けを告げるクルマである。
「MIRAIは、自社開発の新型トヨタFCスタックや高圧水素タンクなどで構成する燃料電池技術とハイブリッド技術を融合した「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)」を採用。
内燃機関に比べてエネルギー効率が高く、加えて、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能を実現するとともに、3分程度*3の水素の充填で充分な走行距離を得られるなど、ガソリンエンジン車と同等の利便性を備えている。
また、一目でMIRAIとわかるデザイン、全車速域モーター走行による優れた加速性能と圧倒的な静粛性や低重心化などにより操縦安定性を高めた走りの楽しさ、停電や災害などの非常時に使える大容量外部電源供給システム、より安心・安全・快適にお乗りいただくための専用通信サービスの設定など次世代車にふさわしい価値を提供している。
水素は、様々な一次エネルギーや下水の汚泥からの製造に加え、太陽光や風力などの自然エネルギーを活用して水からの生成も可能。
さらに、電気に比べてエネルギー密度が高く、貯蔵や輸送も容易であり、家庭や自動車用の燃料のみならず、発電への活用も期待されるなど、幅広い用途への利用が可能な将来の有力なエネルギーの一つである。
水素を燃料として自ら発電して走るFCVは、将来の水素社会の一翼を担い、エネルギー多様化への対応をさらに加速させるものと期待されている。」
と発表されています。
このテクノロジーはFCバスのトヨタ「SORA」やホンダ「CLARITY FUEL CELL」へと広がりを見せています。
環境にやさしく、化石燃料に頼らず、停電などの際には電気を供給できるなど、が大きなメリットですが、燃費・走行性能・パワー・自動車税等が気になるところです。
まず燃費ですが、1回の水素補給で約650km走行できるようです(JC08モード)
ちなみにタンク容量は122.4Lで満タンにすると約¥4300ですので、1km当たりの燃費換算では¥6.6と格安です。
ガソリンは原油相場により変動の大きな商品ですから、燃料代の平均化も大きなメリットですね。
次に自動車としての運転性能やパワーですが、Tコネクトや追随型レーダークルーズ・プリクラッシュセーフティー・レーンデパーチャーラート・ロードサインアシスト・オートマティックハイビームなど先進機能が装備されています。
パワーは154ps・トルク34.2kgf/m とスポーツタイプのガソリン車に引けを取らないパワーを発揮します。
低重心設計のため安定性に優れた車と言えそうです。
次に気になる水素ステーションですが、2019年3月の段階で全国103か所です。
うち、首都圏40か所・中京圏6か所・関西2か所・北九州5か所となっており、随時増えるものと思われます。
1回の水素補給で650km の継続距離ですから、高速道路を使った長距離ドライブであれば大きな障壁にはならないと思われます。
自動車税ですが、一般的にガソリン車は排気量によって区分されていますが、FCVの自動車税は年額¥29,500となっています。
新車価格は高くても様々な大幅な減税対象の上に税金・燃油代が安いため、長く乗れば十分にメリットを実感できる車です。
前述のように2020年にはモデルチェンジが予定されています。中古市場にもリーズナブルな価格のMIRAIが目につくようになりました。
HV車から初代のMIRAIに乗り換えを検討されている方には絶好の機会と言えそうです。