副業の成功戦略のコラムも6回目を迎えました。
今まで、起業・副業に必要とされる論理の立て方や分析の仕方をお話ししてきました。
「大企業じゃあるまいし、そんな大上段に構えたことをする必要があるのか?」と思われる読者の方もいらっしゃると思います。前号で触れましたが80年代のバブル期であれば、「とにかく売りまくれ!!」「商売はのるかそるかだ!!」でよかったでしょう。
しかしながら現在のような低成長・高齢化の環境下では、副業や個人売買においても「確実性」が求められます。
その中でも一般的には一番苦手と言われる「資金管理」「経理」に関してお話ししたいと思います。
「数字は苦手」「経費精算さえ面倒」という方が多いと思いますが、実際に起業・副業や個人売買を行う際、1番重要になるのが経理なのです。
多くの方は数字が苦手という言い訳で後手になるのが経理作業です。
実際に帳簿をつける際、1週間さぼると面倒なことになります。
経費・経理は行動の結果であり、毎日行動を振り返りながら帳簿付けをするため、1週間前の行動を詳細に思い出せないと帳簿に漏れが生じます。
そのため、個人売買や副業の場合でもマメに帳簿付けすることをお勧めします。
では、起業・個人売買等の副業にはどのような経理活動が必要なのでしょうか?
1.個人売買の際の事前準備
個人売買で商品やサービスを提供する際に必要な分析方法
① 損益計算書:個人売買の際に販売価格を決めますが、販売価格から商品原価・販売経費を差し引いた営業利益をシミュレーションします。
営業利益を増加させるためには、
・価格競争力を考慮しながら販売価格を調整する
・商品原価を下げる
・販売経費を抑える
必要があります。
特にインタ―ネットを利用したECの場合には販売経費を下げる効果はありますが、価格競争力を注視する必要があります。
例えば、個人売買で中古車を販売する際には、1台ごとに損益計算書を作成して利益額のシミュレーションをしましょう。
特に経費の部分は1台当たりのガソリン代・ネットサイト掲載料・陸送費・通信費・損害保険料・駐車代金など細かく積み上げる必要があります。
また、個人売買ですので計画段階では販売価格は辛めに、経費は余裕を持った金額設定にしておいた方が無難です。
絵にかいたモチにならないためには、実際に成約した際に、実績と比較して傾向を掴んで次に生かす必要があります。
これらを通じて、商品原価率の上限を理解して、中古車の購入に際して入札額の上限を把握することができます。
② 限界利益: 個人売買であれ、商品を販売する際に知っておくと便利な指標です。
販売価格―(商品原価+固定費)=限界利益額・率という計算式です。
つまり、経費を一切使わない場合の最大利益額・率の算出です。
例えば、個人売買で中古車を販売する場合での固定費とは以下のような費用が考えられます。
・事務所費(自宅の場合、仕事に利用するスペース分)
・人件費
・販売するために絶対必要な固定経費(車庫証明費用・所有者変更費用など)
これらの固定費を月間販売台数目標を決めて販売目標台数で割った金額を把握しておくことで、いくら経費として投資できるかが把握できます。
③ 資金回転率
手元資金が一定期間に何回転するかを知る指標
個人売買で商品やサービスを販売する際、手元資金を多く回転させることで利益を分析します。
同じ商品を同額で販売する場合は在庫回転率も有用な指標ですが、中古車販売など仕入れ価格1台ごとに違う商品を扱う場合には手元資金の回転率が良いほど売り上げ・利益を生み、健全な経営状態であると判断できます。
④ キャッシュフロー
ここで言うキャッシュフローとは文字通りの「お金の流れや手元資金(キャッシュの状態)」を把握するもので、青色申告の際に提出するものとは異なります。
個人売買スタート時の手元資金を基準に毎日・毎月手元資金の変化を把握します。
当初の資金―使用した経費額+収入額=最新のキャッシュ
ですので、Excelで数式を設定しておけば、帳簿をつけた時点でのキャッシュの状態が把握できます。
資金ショートも事前に把握でき、資金調達の必要性の判断が付きます。
2.個人売買の際の帳簿付けと仕分け作業
帳簿付けは個人売買・副業と言えども大変大切な日常業務です。先ほどお話ししましたが、理想的には毎日つけてください。たまればたまるほど記憶が薄れ、手元資金との差異が生じます。
経理ソフトを使ったり、会計士と契約をするのは、個人事業が大きくなってからでも遅くはありません。
創業時はできるだけ費用をかけずに自力で補いましょう。
それが知識となって蓄積されていきます。
ここではExcelを使って帳簿・仕分け・キャッシュフロー・月ごとの集計を一気に作成しましょう
・支出と収入に大別します
・それぞれに金額・使途・コメント(メモ)欄を作成します。
・欄外にキャッシュフローの欄を作ります
・手元資金額―支出+収入=現在の手元資金額になるように数式を入れます。
・欄外に仕分け欄を作成します。仕分け項目は確定申告と同じ勘定科目に設定します。
・支出に関して仕分けして合計金額との差異がないか確認します。
・月末に決算したら、月ごとに集計しておきます。
・2年目からは月ごとの比較をして、需要期・閑散期などの傾向を把握
このように一見面倒な経理作業ですが、個人売買を進めていく際に必要な作業ですし、個人事業の実情を把握して改善していく、商品の選定や投資戦略を立案する際に必要な作業です。
ぜひ面倒がらずに前向きに取り組んでください。
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