副業を始めたものの、本職との両立が難しい、頑張りの割には収入が増えない、なんとなく後ろめたいなどの不安やストレスから、副業を行うことに対して憂鬱な気分になるケースがある。
出口が見つからないままでは、副業は停滞し、本業にも影響を及ぼしかねない。
前向きに継続的に進んで「気づき」を得て成長する「福業」であってもらいたい願いから、幾つかのツールと心構えについて言及したい。
「背景」 副業により進む“マルチタスク化”
本業に加えて副業を始める場合でも副業に重きを置いて行く場合でもマルチタスク化が進むため、上手な自己管理が必要とされる。
マルチタスクとは複数の業務を一度にこなすことで、現代の働く人にとってのぜひとも身につけたいスキルと思われている方も多いと思う。
会社では各部署に分かれ、それぞれのエキスパートがバックアップしてくれるが、一般的な物販の副業の場合には、
「仕入ルートの開拓」「買い付け」「配送手配」「在庫管理」「支払」「利益フォーキャスト」「販売価格の設定」「他社動向調査」「販売促進」「販売活動」「代金回収」など一連の活動を一人、もしくは少人数でまかなう事になる。
外注も可能だがそれなりの代金が必要とされる。
また、そもそも人間は1度に1つのことを集中して行うように脳ができているので本質的にマルチタスクを苦手としているようだ。
スタンフォード大学の研究グループの実験によるとマルチタスクを頻繁に行うと作業効率が低くなってしまい、作業を1つ1つ行う場合よりも生産性が低くなってしまう場合があると発表している他、ロンドン大学の研究チームの発表では仕事中にメールなどで気が散ってしまった場合、徹夜明けの人と同等のIQまで低下し、生産性は最大40%下がってしまうという結果がある。
そしてマルチタスクを頻繁に行うことにより注意力や情報処理能力も低くなってしまい脳に思いがけないダメージを与えてしまうことになる。
副業は本職とは違い全て個人で管理を行わなければならない。
管理が上手くいかずに事が思い通りに進まないがために悩み、「うつ」のような状態に陥ってしまう事があるという。
副業における「目標とできる人物と「相談者・助言者」はいない?
副業を行う中で似たような理想を持った人を参考にしたい、誰かに相談したいという場合、皆さんはどうするだろうか?
似たような経験を体験したことがある人をロールモデル(あの人のようになりたいと目標にする人物)に、同じような環境から抜け出したメンター(さまざまなことに対し相談に乗り助言を与えてくれる人物)を探してみようとするも、中々本音で答えてくれる人を探すのは困難だ。
なぜなら相似形のビジネスモデルの場合、ビジネス成功の根幹に関わるノウハウを提供することに抵抗があるし、刻々と変化する環境下で現在のやり方やサービスの内容では通用しなくなる事も考えられる。
また、自身の収益を増やしたいがために副業を行う人、パラレルキャリアとして収益を気にせずキャリアを積むことのみを目標にする人など、それぞれの目的に沿った行動を起こしている方が大半であり、その目的や内容は多岐に亘るため、明確な回答を提供しづらい。
「誰も私の状況や悩みを理解してくれない」思いが膨らみ、自己否定から「副業うつ」に陥ってしまうことがある。
「副業うつ」に陥らないために
自らの生活を豊かにするために新しく始めた副業で体調を崩してしまい、日々の生活で影響を出さないためにも、自らの時間とタスク管理や自身のメンタル面での対策が重要だ。
次号では「副業うつ」にならないための方法を幾つか提案したい。